非正規は(今さら言うまでもなく)安価な労働力

ある非正規労働者の日記 ある非正規労働者の日記

今さら言うまでもなく、非正規労働者は安価な労働力として重宝されている。

重宝されているなら、それなりに大切にしてほしいものだが、どうもそうはいかないのが現実ではある。

会社にもよるが、非正規労働者は、正社員とは一線を画してもらわないといけない労働者だ。

私の職場では、正規と非正規の区別をはっきりさせている。非正規は、1ヶ月の労働時間が正規の労働時間よりも少なくなるように「強制」されている。

非正規の労働時間が正規と同じならば、非正規の意味がなくなる。仕事内容にそれほどの差がないので、同一労働同一賃金ということにされてしまう可能性もある。そうなれば人件費がかさんで余分な経費がかかってしまう。それを避けようとしているのだ。

非正規で雇った人間は、正規に昇格する可能性が、はじめからないのが、私の職場の私の部署である。(違う部署なら、人手不足のためか昇格する可能性がないわけではない)

昇格させないためには、そもそも「無能」でないといけないようである。何かにつけ、私や同じ非正規の同僚の無能さが強調される。小さなミスでもあればバカだバカだと罵られる。それは自分が悪いのだと納得できるが、ミスがなくても罵られることがある。いったいどういうことなんだと理解できないが、いずれにしても私たちをバカ扱いしたいようだ。

バカなのだから、バカ扱いされても仕方がないと、私は思うようにしてきたが、よくよく考えると、バカであることが上司によって毎日のように刷り込まれている。お前は無能だ、バカだと言われ続けていれば、自分でも「そうなんだ」と思うようになるものだ。

バカに似合わないような、仕事でちょっとよいことができても、褒められることはない。バカなのだから、よいことができたとしても、それはまぐれか、あるいは上司の教育がよかったからということになる。

詰まるところ、非正規労働者は、まず第一に正社員のように完全な「フルタイム」では働けない・働きたくない労働者でないといけない。第二に、正社員よりは能力の劣る労働者でないといけない。

これらは、本人の意思とか能力ではなく、会社の都合で、事前にそうであるべきものとして予定されているのだ。そのため、いくらがんばっても、正社員として取り立てようとか、時給を上げてやろうとかいう可能性は、はなから存在しないのだ。

しかし、そういう扱いで人は本当にがんばれるのだろうか。がんばれば何らかの形で評価されるような職場の方が、だれもが働きたい職場になるのではないかと、私には思える。

人件費を少しでも減らすことは、会社にとってそんなによいことなのだろうか。私が経営者なら、少なくともやる気のある人材は何らかの形で評価したいと思うし、社員がここで働いていてよかったと思えるような職場作りをしたいと思うのだが・・・。

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